ゲストハウスのオーナー、アルーンが用意してくれたのは本当に特等席のあるお部屋でした。横長に広く美しい繊細な縁取りの木枠の出窓から広場がちょうど見おろせるのです。
その出窓に腰掛けて静かに広場の踊りを見つめました。










神さまたちがカラフルなスカート(?)履いているのが面白い♪





この孔雀ダンスは「レッサムフィリリ」という国民的な音楽とともに踊られます。写真からは感じにくいのですが本当にものすごくもりあがるんです。
私もこの曲とダンスが大好きでこの曲が流れると一緒に歌うか踊ってしまいます♪
2016年にチトワンという西ネパールを訪問した時は、タルー民族の踊りの最後にやっぱりこの孔雀ダンスがレッサムフィリリの曲とともに登場しました。
今回の旅はムクティナートに行くことができなかったけれど、ネワール族の文化をいつもより深く体験できて、これはこれでよかったなぁと充実感を噛みしめながら、そして最後の夜のせつなさを胸に抱いて自分の部屋に戻ることにしました。
ところが…。この部屋には初めて入って、しかも夜で暗くて、電気がなくて、なんと、ゲストハウスの中で迷ってしまったのです…!!
確か8部屋くらいの大きくないゲストハウスなのですが、建てられたのは14世紀…。とにかく複雑な作りで、小さく狭い階段を上ったり下りたりしながらこの部屋に入ったので、もう全く分からなくなってしまったのです。
まずい…。明日帰国なのに、自分の部屋はまだまだ散らかっていて、荷物も何も帰る準備をしていない…。いっぺんにせつなさは吹き飛んでしまいました☆
「お、落ち着いて…。」
といっても落ち着いていられず焦ってウロウロして小さな階段を下ったり、上がったりしているうちに、なんとバルコニーにでました。でも、あの私の部屋から出入りできる見慣れたバルコニーではない初めて見るバルコニーです。
ここ、どこだろう…。異次元かな…。あ、月がキレイ☆
などと、のんびりしている場合ではなく、もう寝ているであろうインディラかアルーンに電話をするのもためらい、踊りを見た部屋ももう分からなくなり、とにかく無事に自分の部屋につけるように神さまに助けを求めながら(大げさ☆)40分くらい迷ってなんとか親しみのある見慣れたお部屋の扉を見つけたときの感動は言葉では言い表せません!!(また大げさ☆)
ホッとして結局荷物も散らかしたままベッドに倒れこんで、ぼんやりと天井を見ながら虫やネズミの声を聞いていました。
明日帰るんだ。修一郎も猫たちも待ってるだろうな。そして「ただいま。」って言ったら、「おかえり。」って言って、いつものように、「帰ってきたら昨日まで家にいたみたいだね。」って言って笑いあうんだろうな。
旅って、帰る場所があるから安心して旅に出れるんだな。
次はいつ来れるのか分からない。毎回次はいつ来れるか分からないと思いながら毎年来ることができている。いつものように「分からない」にゆだねてみよう。また来れたらうれしい。
さぁ、明日は笑顔でサヨナラを言おう。大丈夫、きっとそうできる。そんな風に思いながらそのまま眠ってしまったのでした。
つづく。
*2018年からのネパール滞在記全20話はこちらから♪
*2017年までのネパール滞在記はこちらから♪
*5月、絵本deえがお美術館で「さかいみる ネパール滞在記 茶話会」開催予定です!スクリーンで美しい写真もたっぷり観ていただきたいと思います。