2018年ネパール滞在記Vol.13*ガイジャトラと紅い足*

8月27日。
と、その前にメチャくん絵本Vol.08「おちゃのじかん 」ネパール語版のレイアウトが完成しました!ぱちぱちぱち♪来週中旬には印刷が始められるのではないかなと思っています。
そして、タイトルが何になるのかと思っていましたが、(なぜそう思ったかというのはこちらから)ジャジャン!
‘Chiyako Ramailo’ 「チヤコ ラマイロ」と言います。「お茶の楽しさ」「楽しいお茶」のような雰囲気のタイトルだそうです。
詳しくはこちらからどうぞ

さて!
今日は待ちに待ったネパールの大きなお祭りのうちのひとつ「ガイジャトラ」。ちなみにネパールは大小合わせてだいたい1ヶ月に2回くらいお祭りがあります☆そう、大のお祭り好き民族なのです。徳島県出身の私も例外ではありません☆

早起きして、アンジュが迎えに来てくれるのをワクワク待ちながらゲストハウスの入り口から早朝の広場を眺めていました。
朝6時でももう人がたくさんお散歩したり、お水を汲んだりしています。
なんとなくいつもよりウキウキした空気に感じるのは私がウキウキしているから?お祭り前の独特のきらめく空間。その中からアンジュが歩いてくるのが見えました。

「昨日はワクワクして眠れなかった〜」と、アンジュ。
あぁ、どこの国でも一緒なんだなぁと胸のあたりにふわっとあたたかいそよ風が吹きました。

二人でヨーグルトを食べながらアンジュの家へ向かいます。迷路のようなレンガを敷き詰めた細い路地をくねくね曲がって歩きます。
途中でお祭りのために美しく着飾った女の子と出会いました。

私たちよりもっと早起きして準備して待っているんだね♪とってもきれい!

赤い衣装に金色の飾り、そして首からマリーゴールドの花輪。そしてくっきりメイクに真っ赤な口紅。とても美しく幻想的です。
実は「ガイジャトラ=牛祭り」というお祭りは日本のお盆のようなものなのです。後ろにちらりと見えている写真の方が、この1年以内にこちらのご家族で亡くなった方です。亡くなった魂を牛が天国へ導くそうなのです。そういえば日本のお盆もナスを牛に見立ててお飾りしますね。カトマンズやパタンでは牛の仮装をした子供達が街を練り歩きますが、バクタプルのガイジャトラは最も盛大で華やかです。すごい情熱なんです☆

まだ眠い…。
アンジュの家の前。この1年の間に亡くなった親族のための塔のようなものをしつらえています。
サイケデリックな神様たちの絵にお供え物。
シバ神と女神の…忘れました☆に扮した子供たちです。
着いたらまず豆のスープとパイナップルをいただきました。
アンジュの従姉妹が足を紅く塗っていってくれます。

アンジュのうちにはアンジュの姉妹、従姉妹たちが集まって きゃぁきゃぁ はしゃいでいました♪お盆だけど☆ 日本でいえば盆踊りに行く前にみんなで浴衣を着付けしあいながらお化粧して はしゃいでる☆ という感じです。どこの国でもこういうのって楽しいんですね♪

それにしてもまず足を紅く塗ってゆくのにはびっくりしました。
「どうして紅く塗るの?」と聞くと、「美しいから。」という答え。国によって美しさの種類がちがうことにびっくり!

長い髪をさらに長くするために毛糸のようなつけ毛を編み込んでゆきます。
足、乾かし中♪
出来上がりの足♪ まるで靴を履いているようです。道ゆく人から「足、きれいだね!」と言われ、(やっぱりこれが美しいんだ…。)と感慨深かったです。
手前がアンジュ。眉間にビンディも♪

慣れないマスカラを貸してもらい自分でしようとして目の中に入ったり、真っ赤な口紅を塗ったら歯についていたり、10年していなかったピアスの穴に無理やりピアスを通したり、と、ささやかなハプニングははあったのですが、マニキュアもしてもらい、衣装も着せてもらい、メイクもばっちりしてもらい、本当に楽しかったです。

通りをぎゅうぎゅうの人が練り歩きます。

私たちは身支度や写真の撮り合いっこに時間をかけすぎてしまい、列が行ってしまい、大慌てで走って追いつきました!

子供たちも踊ります♪
みんな踊ります♪

メインは棒を持って一定のリズムに合わせ、二人一組で棒をお互い打ち付けあいながらひたすら練り歩く。約8時間。そういう感じで9日間。というお祭りなのです。カトマンズの日差しは強く、汗をダラダラ流しながら練り歩きました。ただそれだけなのですが、それがものすごく楽しいのです。踊っている人も見ている人もみんな大興奮です!盆踊りもそうですが、シンプルで素朴なものって飽きにくいのかもしれません。

ちょっとわかりにくいですが、こういう感じです♪

襟のところや帯が少し着物とも似ているような気がします。そしてパンツがサルエルパンツになっていてとっても可愛くて動きやすいんです!ブレスレットはできる限りたくさん、ネックレスも。そしてアンクレットは銀。頭には金色の髪飾りと真っ赤なお花。ピアスも金色。手も足も真っ赤のマニキュアです。そしてサンダルも赤。黒、赤、金が基調になっている可愛く美しい民族衣装です。

そして、夜。
お祭りは夜に最高潮の盛り上がりを見せます。私はピーコックゲストハウスに戻り、中から前の広場を見ていました。バクタプルのたくさんある広場を順番に最後の行列が回るのです。そしてゲストハウスの前のダッタットラヤ広場が本当の最後になります。

濃い群青色の空に時々映る巨大な影。それは今まで見た塔の何倍もあるワラでできた塔です。それを担ぎ、他の小さな塔も一緒になって広場にやってきます。その直前の異様な熱気。残念ながら写真がないのです。暗くて雨も降ってきて…というよりはあまりに圧倒されて写真を撮ることができなかったのです。

言葉で説明できるかどうかわかりませんが、できる限りをお伝えしてみようと思います。あまりにも現実感のない空間だったんです。

異様な興奮状態でなだれ込んできた男性たちが瞬く間に広場を埋め尽くしてゆきます。大声で短いフレーズをマントラのように繰り返し唱えながらぐるぐると円を描いて回ります。高くそびえ立つ塔たちが上下に激しく揺さぶられ、まるでその塔たちが意思を持って動いているように見えるのです。その塔にはコブラやたくさんの頭を持つ蛇にまたがった青い顔の神様やサイケデリックな神様の絵が飾られ、大きな旗にも恐ろしい顔の神様が描かれ、亡くなった方達の写真も一緒に飾られています。ぐるぐる回っている人たちは完全にトランス状態になっているようでした。まるで神様たちと、そして亡くなった方達と交信しているような、ライトが回って深い深い群青色の空までもぐるぐる回っているようでした。そしてそこから本当に神様たちが降りてきそうな、またはここでぐるぐる回っている人たちが空に吸い込まれてしまいそうな…。映画を見ているようでした。

これが本当に現実?
ここがいつものあののんびりした広場?
私は一体どこにいるのかしら?
この世?あの世?

すごい強さでエネルギーが迫ってきてアタマの中もぐるぐる回って、体を何度も通り抜けてゆくような感じがしました。
そのエネルギーの塊はどんどん勢いを増して、そして大きく強く濃くなって、私たちを飲み込むのかと思った途端、猛烈なスピードで広場を回り駆け抜けて空に昇っていったように感じました。
そして、余韻を残しながら初日のお祭りが終わったのです。

すごいもん見たな。すごい体験だったな。
そう思いながらインディラたちに「おやすみ」を言って自分の部屋に戻りました。

そして、洗面所でピチャピチャ化粧を落とすと、「これだれ?」というくらいシンプルで薄い顔が☆ 「私、こんなに素朴な顔だったんだ☆」

今日は朝から夜までずっと濃い体験だったな。
明日はダディンに行って、「絵本deえがお」の新しいネパールオフィス(クリシュナさんの家)でウルちゃんたちに会って、日本の友だちからのお土産を渡して、ダディンの学校へ子供たちに絵本を渡しに行くんだ。ウルちゃんに会うの楽しみだな…と、思いながらあっという間に眠りの王国へと足を踏み入れたのでした♪

つづく。

*2018年からのネパール滞在記全20話はこちらから♪
*2017年までのネパール滞在記はこちらから♪

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